後記
記憶している範囲では、2004年が明けてまだ間もない日だったと思います。竹内街道に関連する部分までを当時、在籍していた@nifty文学フォーラムの短詩会議室「いまのは倶楽部」に掲載し、残りの部分はすべて脱稿してから一括で掲載しよう。
そう思って、書き溜めていた原稿がパソコンのハードディスク・クラッシュですべて失われました。もっと言うと、掲載していた部分もすべて失い、けれども公開していたためにログ保存していた方が複数いらしてくれたお陰で、とりあえず竹内街道まではサルベージできたものの、それ以外は...、と。
けれども、どれほど膨大な量の散文部よりも痛手だったのは、現地で即詠した拙歌です。後半部は完全に失われ、かといって思い出して詠みなおすにも量が多すぎますし、何よりも現地へ自ら行ったからこそ、その瞬間に得られた高揚感は、再現などできません。
結局、それを境に「あきづしまやまとゆ・弐」は半ば放置する形で、記憶とともにパソコンの片隅深くで、長い長い冬眠に入ってしまいました。
ですが、古歌紀行そのものは継続していて、2004年には足柄峠と竹生島のごく短い紀行文も書きました。...これで気づいたのは、何も何泊もする旅行じゃなくとも古歌紀行はできるし、書けるし、詠める、ということで、時間的・体力的・経済的にも自身への負担を軽くする形で、細く長く続けてゆきたい、と。
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